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2024/12/29

何とか脱稿できました

スパコミで新刊出せそうです、良かったー!

結局やっぱり書き下ろしの話は最後まで書けなくて、前編になりました。書き下ろしなのに前編って本当……どうしようもなくてすみません。後でオフページの方も更新しておきます。
今回ちょっとオフ本脱稿するのが遅かったので、コピ本は無理そうです(ネタが浮かばないよ…) でもその代わり、小話付きのペーパーをがんばれたらいいなぁと。アリスワールドの小話になる予定です。久々に分厚いペーパーになりそうです^v^(それがペーパーなのかどうかはさておいて


さてさて。
許可頂けたので、小話UPします^v^ こなぎさん宅で妄想が展開されている、ミニガーとミニィア話になりますよー
一応色々個人的に設定はあって(人様の妄想なのにとかその辺はさておいて…!
ミニィアはリディアにそっくりとのことなんで、きっと小さい頃のミニィアは可愛いけど美人といわれる顔立ちではなかったんだろうなぁと。でも両親と兄(とくに父親と兄)が「ミニィアは可愛いね」と毎日のように言うので、それを信じてたらいいなぁ、とかね!
でもちょっと大きくなって、ミニガーに憧れてる女の子が屋敷に来た時に、「あの妹だって子、全然美人じゃない」とか陰口叩かれてるのを知って、すごくショックを受けてたりしたらなおいいな、と!!!

そんな妄想の元の、ミニィアとリディアの話です(説明長い!! 兄妹の妄想のはずなのに、親子物ですみません……親子の触れ合いが大好きなんです……。その内エドガーとミニガーの小話とかも書きたいなぁ。腹黒いやつ(親子で腹黒いって…

「どうしたら、お母さまみたいな美人になれるの?」
 
娘が一人で泣いているようだと、メイドに聞いて部屋へとやって来た。
年頃になった娘には、色々と悩みもあるのだろう。以前のように、「あのねぇお母さま」とその日にあったこと全てを話してくれることはなくなった。
けれど泣きたくなった時、ベッドに飛び込んで、幼い頃にエドガーが買ってあげたクマのぬいぐるみに抱きつく癖は変わらない。
もう色褪せてきたそのぬいぐるみは、娘の抱擁をしっかりと受け止めていた。リディアがやって来るこれまでの間、しっかり娘の面倒を見ていてくれたのだろう。
どう声をかけていいのかわからず、リディアは黙ってベッドに腰掛けた。
小さな泣き声だけが、部屋の中には響いていた。
母親がやって来たことに、娘は当然気づいているだろう。けれど顔を上げたくないのか。クマのぬいぐるみに抱きついたまま、ひっくひっくと泣いている。
何も言わずに、リディアはゆっくりとその頭を撫でた。何があったのかはわからない。娘が口を開こうとしないのなら、聞かないでおこうと思った。言いたくないことを、無理に聞き出そうとは思わない。けれど、子供が話したいと思った時に、傍にいてやれるような親でありたいと思った。
何度も何度も、リディアはその頭を撫でた。最近ではこうやって、触れ合うことすら少なくなっていた。まだ娘が幼い頃は、毎日だって抱きしめていたのに、それが何だか今は懐かしい程だった。
ひっく、と特別大きいしゃくり声がしたかと思うと、突然娘はぬいぐるみを離し、そのままリディアのお腹に顔をうずめるようにして、抱きついてきた。
あらあら、とリディアは微笑みをもらす。もう親に抱きつくのは、恥ずかしいと思う年頃になってきたかと思ったのに、そんなことはなかったようだ。
「大丈夫よ」
いい子ね、と頭を撫でる。
「……お母さま」
「なあに?」
「どうしたら、お母さまみたいな美人になれるの?」
これはまた、突拍子もない質問だ。
「……お母さまは、あんまり美人じゃないと思うわ」
「そんなの嘘」
はっきりとした声で娘は言った。ひっく、と最後にしゃくり声を上げてから。
「お母さまはすんごくキレイだもの」
「ありがとう」
「お父さまも、兄さまも、そうだって言うわ。社交界でも、お母さま以上にキレイな人なんていないって。あたしもそう思うもの。お母さまはすっごくキレイよ」
でも、と、娘の言葉は続いた。
リディアのお腹に顔を埋めたまま。
「……あたしは、母さまみたくキレイじゃないの」
「ミニィア」
「どうしたら、お母さまみたく美人になれるの?」
しゃくり声が、また泣き声へと変わってしまった。
よしよし、と、リディアはまたその頭を撫で始めた。一体いつ、だれに、そんなことを言われたのだろう?
「……お母さまみたくキレイになりたいの」
もう子供とは言えない年頃の娘に、下手なごまかしは通用しないとわかっていた。
ここにエドガーがいれば、彼は、悩む娘に何と言葉をかけたのだろうか。
お得意の甘い言葉でもって、とたんに泣き止ませてしまったに違いない。けれどリディアには、そんなことはできない。
「ねぇミニィア。お母さまも昔、同じように思ってたのよ。お母さまのお母さまは、とてもキレイな人だったんだもの」
涙に濡れた瞳で、娘はリディアを見上げた。
「お母さまと同じぐらい?」
「ううん、もっと」
「……嘘よ、そんなの」
ふてくされた顔で、娘は呟いた。誤魔化されたとでも思ったのかもしれない。
「本当よ。お母さまは今でもそう思ってるもの。お母さまはね、昔―――そうね、ちょうど今のあなたぐらいの頃。おじい様以外のだれにも、美人だなんて言ってもらえなかったのよ」
「どうして?」
間髪いれずに、そう問い返された。大きな目を丸くして。
「お母さま、こんなにキレイなのに」
「昔はそうじゃなかったのよ。……ううん、今でも本当はわからないの。鏡を見ても、映っているのは昔と変わらない自分だもの。キレイになったなんて、自分ではちっともわからないのよ」
「じゃあどうして、キレイになったの?」
「お父さまが魔法をかけてくれたから」
ぱちくり、と、娘は瞬きをした。
「魔法?」
「そうよ、魔法。お父さまがね、お母さまのことを好きだって言ってくれて、可愛いよ、キレイだよって褒めてくれたから、お母さまは昔よりも、ちょっとはキレイになることができたの」
自分で言うのは恥ずかしかった。けれど微笑んで、リディアはそう言い切った。
今のような微笑みを浮かべられるようになったのは、確かにエドガーの言葉のおかげだと思うから。
エドガーの言葉が、リディアを、変わり者のカールトン家の娘から引っ張り出してくれた。褒められる度に、本当に自分が、そんな素敵な女の子に変わってしまったような錯覚を受けた。
そうしてそれは、錯覚だけでは終わらなかった。
「あなたにも、魔法をかけてくれる人がその内現れるわ。そうしたら今よりもずっとキレイになれるの」
「本当に?」
「えぇ。お母さまが約束するわ。お母さまだってそうだったんだもの」
「あたしも、お母さまみたくキレイになれる?」
「もちろん」
頷きながら、何だか妙な心地だった。美人だとか、キレイだと言われるのはやはり慣れない。どうにもこそばゆい気持ちがしてしまう。
娘は身体を起こすと、袖でぐいっと目元を拭った。リディアを安心させるように笑った後、ふと不安げな顔になった。
「……ねぇお母さま」
「なあに?」
「兄さまに、あたしが泣いたって言わないで」
心配しちゃうから、と娘は言う。もちろん、とリディアは頷いた。エドガーに良く似た息子が、エドガーに良く似て過保護なこともわかっている。余計なことは伝えないに限る。
「元気になったのなら、お茶にしましょうか。今日は天気がいいから、テラスで飲むお茶がきっと美味しいわ」
「クッキーもある?」
「クッキーにケーキもあるわよ」
リディアがそう言えば、先ほどまで泣いていたのが嘘のように、娘はぱっと顔を輝かせた。
「お父さま達を呼んできて、お茶にしましょう」
「あたし、呼んできてあげる!」
元気よく、娘はベッドから飛び降りた。スカートの裾を翻しながら寝室を飛び出していく。
「……あらあら」
リディアは苦笑をもらした。一際元気がいいのは、甘いお菓子に釣られたからだろうか?
でも、子供は元気がいいに限る。泣いている姿を見るのは嫌だ。悩むこともあるだろうと思っても、それでも心が痛む。泣いている原因を、全て取り除いてやりたくなる。
「あたしよりもキレイになるに違いないのに」
何せあの子には、エドガーの血が入っている。きっと大人になれば、リディア以上の美人になることだろう。その日が楽しみだった。キレイになりたいと言って、泣いたこともあったわねと、大きくなった娘と笑いあうのが。
「あたし達の子供なんだから」
リディアはくすくすと笑った。
 
 
「大人になったら、あなたは絶対に美人になるわよ」


***


小話とは言えない長さになったような気もします。すんごい書くの楽しかったんだ!!!
こなぎさん本当色々勝手にすみません。。。 日記絵いつも楽しみにしてます^v^
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2010/04/25 あぷり Trackback() Comment(0)

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