忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2024/05/18

とりあえず書けたところまで

これまたいつものミニ話です。
子供達をケルピーと絡ませたら面白そうだなーと思ったんですが、とりあえず書けたところまで!(ケルピー出たところで終わってるよ…

ケルピーは多分ミニィアには優しいだろうなぁと。
でもそれなりにお兄ちゃんに対しても優しいと萌えるな、と! エドガーにそっくりだけどリディアの子供って点でそこは相殺されてるみたいな^v^ でも兄はケルピーを嫌ってるといいよ。や、嫌ってるわけじゃないけど、妹がケルピーに懐いてるのが気に入らない、みたいな。ミニィアはケルピー大好きだといいな!!
子供ができてある程度大きくなった頃には、エドガーもけっこうケルピーと仲良くなってるとは思うんだけど、でもやっぱどこかでライバルっていうか何ていうか、馴れ合わない感じなのがいいなぁと思ったり。ミニィアに、「お父さまはケルピーのこと嫌いなの?」とか聞かれてるぐらいがいいな、とかね!!

妄想満載でごめんなさい。楽しいんだこの兄妹っていうか、それを含めた伯爵家の妄想が!!
続きも書けたらそのうちに。この後が一番書きたかったシーンなんだけどな、おかしいな…。

「 馬と子供達 」
 
 
今日の勉強時間が終わり、ミニィアは勢い良く子供部屋を飛び出した。
「お嬢様、お行儀良くなさって下さいね!」
「はあい」
返事こそきちんと返したものの、庭に出れば乳母の言葉なんてすぐさま忘れてしまった。
ロンドンでは珍しいほどの、雲一つない晴天だった。ここ一週間ずっと雨続きだったのが嘘のようだ。外で遊びたくて仕方のなかったミニィアは、朝起きて雨の音が聞こえないとわかった瞬間、ベッドの上で飛び跳ねてしまう程嬉しかった。
 
『今日こんなにいい天気になったのは、ずっといい子にしていた君へのご褒美だね』
 
朝の挨拶をした時に、大好きな父はミニィアの頬にキスをしながら、そんなことを言ってくれた。
ずっといい子にできていたかどうかはわからない。お父さまは知らないだろうが、退屈を持て余したミニィアは、この数日何度も乳母に叱られ、お母さまにも一度「そこに座って、お母さまのお話を聞きなさい」と言われてしまった。これは、お母さまがミニィアにお説教を始める時の決まり文句だ。
どうしてミニィア限定の決まり文句なのかというと、お兄さまミニィアとは違って、お母さまに怒られるようなことはしないからだ。お兄さまのようにちゃんといい子にしていなきゃと思っても、ミニィアはとても雨の続く中、ライブラリで大人しく本を読んでいるなんてことはできないのだ。
伯爵低の広い庭園は、まだ幼いミニィアにとっては十分な遊び場だ。もちろん生まれ育った家に目新しい遊び場所なんてものはないけれど、庭師の手入れの行き届いた庭は季節に応じて違う顔を見せる。生い茂った木々の間を抜ければ、とたんに屋敷の姿は見えなくなって、ミニィアにはちょっとした隠れ家のようにも思えるのだった。
そして何より、緑が溢れる場所には、ミニィアの『友達』がたくさんいる。
草木の間から、こちらを伺う小さな瞳が覗いていた。けれどミニィアは、あえて知らんふりをする。小さな妖精たちは、好奇心旺盛だがそれと同じぐらいには臆病なのだ。怖がらせる真似はしないように、ミニィアは彼らを踏み潰さないように場所を選んで歩いて行く。
馴染みの妖精たちが姿を現さないだろうかと期待したが、久しぶりの晴れ間に、どこかに遊びに行ってしまっているのだろうか。だれの姿も見えない。
「……つまんないの」
一緒に遊ぼうと思っていたのに、予想外れもいいところだ。
「早く、兄さまが来ればいいのに」
ぶらぶらと来た道を戻りながら、ミニィアはため息をもらした。
大好きなお兄さまの勉強時間は、ミニィアよりもずっと長い。一日の半分は勉強しているといってもいいぐらいだ。ミニィアにはとても真似ができないが、それ以上に信じられないのは、兄が分厚い本をめくりながら「でも、知らないことを学ぶのは興味深いよ」と言うことだ。
「勉強の何が楽しいのかしら」
わからなかった問題が解けるようになるのは確かに楽しい。難しい本を読めるようになるのも、大人の仲間入りができたようで嬉しい。
けれどミニィアは、空いた時間に勉強するかお菓子を食べるかと聞かれれば、迷うことなく後者を選ぶ。でも最近のお兄さまは、暇さえあればライブラリにこもってお父さまが読むような本を読んでいるか、ラテン語の勉強をしているかのどちらかなのだ。
「つまーんなーいの!」
噴水の端に腰掛けながら、ミニィアは少し大きな声でそうもらした。この声が、お兄さまにも届けばいいのにとほんの少し思った。ミニィアが退屈していることを知れば、お兄さまは勉強を止めて遊んでくれるのではないかと少し思った。でもそれが、我侭だということは、もちろんミニィアは知っている。
お兄さまはいずれ、お父さまの後を継いで伯爵となるのだから、たくさんの勉強をしなければいけないのだ。後を継ぐために覚えなくてはならないことは山のようにあるのだと、いつしかお兄さまは言っていた。
女の子で良かったと、兄を見ながらミニィアは心底からそう思う。男の子に生まれていたら、お兄さまと同じぐらいの勉強をしなくてはならないのだ。けれど、お兄さまは裁縫の練習をしなくていいのだと思えば、ちょっぴり気持ちは揺らぐ。長時間のラテン語の授業と、指に針を刺してしまう刺繍の練習と。果たしてどちらがマシだろうか。
「……つまーんない」
勉強が終わった時の高揚感は、どこかに消えて無くなってしまった。
お母さまのところに行こうか、とふと考える。でもきっと、この時間、お母さまは仕事をしている。ミニィアが顔を出せば笑顔で迎えてくれるだろうけど、後で乳母に叱られるのは嫌だった。
噴水に腰掛けたまま、ミニィアはぶらぶらと両足を振る。
そうするとペチコートが丸見えになって、乳母が言うところの「はしたない」ということになってしまうのだが、今ミニィアの周りにはだれもいない。それならば、多少「はしたない」ことになったって問題は無いはずだと思って、ミニィアはぶらぶらと足を振り続ける。
退屈なのがいけないのだ。
お兄さまは勉強中だし、お父さまはどこかに出かけてしまったし、お母さまは仕事をしているし、妖精たちだって姿を現してくれないし―――
今日はこんなにいいお天気なのに。それなのに、こうもツイてない。
子供らしかぬため息を、ミニィアがついた時だった。
派手な水音が、ミニィアのすぐ背後から聞こえた。反射的に振り返ったミニィアが見たのは、いつの間に現れたのか、噴水の中で優雅に水を浴びる馬の姿だった。
突然現れた馬の姿を見ても、ミニィアは悲鳴なんて上げはしない。変わりにぱっと顔を輝かせて、抱きつくようにしてその馬に飛び掛った。
「ケルピー!」
「よう、チビ」
人の姿に変わったケルピーは、楽々とミニィアを持ち上げてしまう。
久しぶりのケルピーの来訪に、ミニィアはにこにことしながらその巻き毛に手を伸ばした。退屈な気持ちなんて、一瞬でどこかに消えてしまった。
PR

2010/05/18 あぷり Trackback() Comment(0)

COMMENT

COMMENT FORM

NAME
MAIL
WEB
TITLE
COMMENT
PASSWORD

TRACKBACK

TRACKBACK URL :
カレンダー
 
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
 
 
最新記事
 
(01/11)
(01/08)
(12/27)
(12/22)
(12/09)
 
 
アーカイブ
 
 
 
最新CM
 
[01/18 木苺]
[01/09 NO NAME]
[08/06 あぷり]
[08/05 RENI]
[08/05 木苺]
 
 
カテゴリー
 
 
 
出張所
 
 
 
リンク
 
 
 
RSS
 
 
 
ブログ内検索
 
 
 
カウンター